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管制体制なしで野焼きされるゴミ





2021年12月11日 ハムラ県シミコットでは、毎晩5時ころになるとその日に発生したプラスチック、紙、段ボールなどの廃棄物を路上で燃やします。この街には、ゴミを回収したり、それを適正に処理する管理システムがないためです。このような町や村は、ネパール中にたくさんあります。
自治体が回収したとしても、その燃やし方が原始的で、有害物質の発生を防ぐような高度な技術基準に満たない方法で処理されていることが多いのが現状です。カトマンズ盆地内でも、公認の回収業者が不法な野焼きを公然とやっていることもあります。
当局は、解決に必要な高度な焼却技術を先進諸国に提供するよう依頼しているというが、有害化学物質により大気を汚染することが住民の健康に深刻な影響を与えることなので、リサイクル等のシステムをもっと広範に導入するなど、自前でできることを含めて真剣に対処することが必要だと専門家は指摘しています。





メラムチ洪水の原因は降雨量のみではない





6月17日 今月16日水曜日にメラムチを襲った洪水は、死者1名、行方不明者7人、ホテル8棟、橋2か所、吊り橋6か所が流失。浸水家屋150棟以上という大きな被害をもたらせた。しかし、気象の専門家の意見によれば、その流域にある5か所の雨量計の記録によれば、前日からの24時間雨量ではこのようなこ大洪水をもたらすような降雨量ではなかった、という。洪水の目撃者の話からしても、ほとんど泥海のような水が大量に押し寄せたということから、上流部で地滑りが発生し、一時的なせき止めがありそれが破壊して洪水となって流下したと考えられる。地滑りの要因としては、過去の地震による地盤のゆるみ、メラムチ水道計画事業、無計画な道路工事などが考えられ、今後の調査で明らかにされるだろう。





土石資源の輸出計画に警告





6月1日 政府が提出した予算書によれば、マハバラート山脈の南縁に連なるチューレ山脈(シワリーク山地)の河川や丘に分布する豊富な土砂を資源として開発し、これを輸出して外貨を獲得する計画が示されている。既に計画の具体化を示唆するような運搬手段、たとえばフェリー基地、ロープウェイルート等の検討も、舞台裏で進行しているがごとき政府説明に、環境維持派の議員は猛反発している。政府部内でも環境森林省側には何の予告もなされていないなど計画がずさんである、と指摘する。資源の有効活用には反対はしないが、自国のインフラ整備に必要な建設資材の将来予測や環境修復計画など将来を見据えた長期的、段階的な開発と自然保護対策を含めた計画とすることを提言している。





大気汚染が洪水や地すべりを引き起こす





5月9日 今年3月末にネパール全土に発生した山火事は国中を煙で包み込んだ。そのため大気汚染は健康に危険なレベルまでになった。しかし、大気汚染は健康被害をもたらすだけではない。科学雑誌「Climate Dynamics」に掲載された研究結果によると、ネパール山岳地帯の雲や雨量、気温とエアロゾルの関係を調べた結果、大気中の汚染物質が多いほど降雨強度が増すことが判明した。これは、雲を形成する過程で大気中のエアロゾルが関係し、水滴が量的に増大するだけでなく、温度を上昇させることで氷点高度が上昇し、より大量の雨滴が雲に内包され、結果的に降雨が強く、長くなる。このことが過大な降雨量を招く恐れがある、という。従って山間部での洪水や地すべりの頻度も高くなると予想される。 毎年ネパールでは乾季の大気汚染が問題になるが、モンスーン季においても大気中のエアロゾルは、インド亜大陸から大量に流れ込んでくる汚染大気のため米国に比べて30倍以上の高濃度であることが観測されているので、雨期の大気汚染にも十分注意しなければならない。





サイがインド側へ





3月14日 チトワン国立公園のサイは、西側の地域に集中して過密状態にある。このためしばしばインドのヴァルミキタイガー保護区へと移住したり、洪水によって流れ下ってインド側に定住したりするケースがみられる。インドはこれを知ってはいるが、これまで返還されたことはない。サイはネパールにとって重要な保護動物であり、2015年の調査では、全国で645頭の生息が確認されており、そのうちチトワンでの生息数は約600頭でそのうちの70%に相当する約400頭が公園の西部地域に生息し、過密状態にあることは、サイにとって良い環境とは言えず、何らかの対策が必要とされている。





乾季の降水量は例年の25%





3月5日 専門家によれば今期の冬期間(12月から2月)の降雨量は、例年の25.6%だという。このような極端な少降雨量は珍しく、今後雨季に入っても、地面が乾燥しているため場所によっては農業の水不足や火災を招く恐れがある、と警告している。





シヴァプリで野鳥調査





2月23日 シヴァプリ ナガルジュン国立公園で野鳥調査が行われ、197種類の野鳥が確認された。これは過去に愛好家が非公式に調査した時の数、320種よりも少ないが、これは包括的な調査の第一段階なのでこの数字は多くなる可能性があると専門家は言う。米国の元大統領カーター氏が2007年にネパールを訪問した時、バードウォッチングで約20種の野鳥を確認したとのエピソードがあります。調査は1シーズンだけではだめで、年間を通したものでなければならない。渡り鳥や絶滅危惧種もふくまれており、今後の調査に期待がかかっている。





氷河湖爆発洪水





2月8日 インド北部ウッタルカンド氷河爆発洪水(GLOF)は死者100人以上、発電所や道路、橋などインフラの災害という悲惨な被害をもたらした。この氷河は、2013年には同様のGLOFが発生し、死者5,000人以上という被害をもたらした。このような氷河はネパールにもあって、2017年のバルン氷河、2016年のボテコシ上流など数多くの事例がある。地球温暖化による氷河の融解・後退などの影響で今後類似の天災が頻発する恐れもあり、重要な警告と受け止めるべきである。





違法なゴミ焼却を取り締まれ





1月19日 カトマンズは、世界で最も大気汚染が深刻な都市であるが、そのうえさらに違法なゴミの焼却による大気汚染が拍車をかけている。ゴミ収集が有料化されたため違法な焼却が後を絶たない。冬期間は特に暖を取るための焼却も都心を離れた周辺地域でよく見られる光景だ。違法なゴミ焼却には罰金刑も科せられる法律はあるが、実際の取り締まりが行われておらず実効性がない。





電子製品の廃棄処分問題





1月17日 ネパールでも電子製品の利用は増加しているが、その廃棄処分に関しては法規制はなく野放しである。テレビ、コンピュータ、冷蔵庫、携帯電話など日常生活に不可欠になっている。このため年々これらの廃棄物量も増加している。これらには鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、その他の有害物質が含まれるものがある。多くの部品はリサイクル可能な貴重な物質も含んでおり、これらを回収するシステムや取り扱い上の安全基準を早急に策定すべきである。





象の感電死、人間と野生生物の戦い





1月11日 サッタリの小麦畑に侵入しようとした象が、仕掛けられていた高圧の電気柵により感電死した。農民側は被害防止のためであり、象には常に脅威を感じながら生活しているのであり、自己防衛である。と主張している。しかし、国内に200頭ほどしか生息していない象は貴重な野生生物であり、保護対象になっている。殺せば高額の罰金が科せられる。しかし、農民側は象は神聖であり、殺したのではなく象が畑を取り巻く柵に触れて感電死しただけで、これは事故であると主張している。





野生生物の違法取引がSNS上で





1月9日 インターネットで本や衣服を売り買いするのと同じ感覚で、Facebook上で野生生物の肉などの売買が行われている。イノシシ、キジ、シカ、赤いトリ、サル等で、時には捕獲が許可制になっている保護動物が紛れ込んでいる。今のところ国内での取引が主だが、放置すれば国外への販売につながる恐れがある。その供給源をめぐっては、野鳥の保護区などでの違法な狩猟が背景ににあることが考えられ、取り締まり強化が望まれる。





パンデミック中の大気汚染悪化に懸念





1月6日 カトマンズ盆地が、世界で最も大気汚染された都市であることが、コロナウイルス感染症を含めた呼吸器系疾患の死者が、最近急速に増大していること、患者数そのものも急増していることから証明された、と専門の医師が市民に警告している。市中心部でのPM2.5の数値が4日に488μg/m3という異常な値を示した。この値は200を越えたら健康に有害、300を超えると危険とされるものであり、カトマンズ盆地の人々はこんな危険な空気を吸っている。このため呼吸器系疾患が多発しており、ここ数日は毎日200人がトリブーバン大学病院へ診察におとずれるという。
最近のコロナウイルス感染症がさらに追い打ちをかけており、政府、自治体の早急な対策が必要だと専門家は訴えている。