1999年のネパールの環境関係の話題

不合格車両乗り入れ禁止 ( Kathmandu Post より)
1999年1月22日、交通管理局は来年7月から排ガス検査に不合格の車両のリングロード内部乗り入れを禁止すると発表した。当局は大気汚染による疾病の防止を目的にして、この措置が開始されるまでの期間は、環境省と交通警察署の協力によって市内に9本の街路とポケットエリアを設定して、この場所への乗り入れを禁止する措置をとる。検査は毎日実施し、ガソリン車は一酸化炭素排出量が3%以下、ディーゼル車は65HSU以下でなければならない。テンポーの中にはすでにLPGを燃料とするものも3年前から導入されており、この場合は一酸化炭素排出がわずか0.38%と、きわめて環境に優しいことが分かっている。


ゴミ問題はさらに悪化か? ( Kathmandu Post より)
1999年2月4日、カトマンズ首都圏公社(KMC)の職員によれば、政府はゴカルナに替わるゴミ処分場の選定をする事になっているが、その作業が進んでいない事を懸念している。新しい場所として候補に上がっているのは盆地の西側RamkotかOkaypauwaだが、内閣は他にも6,7個所検討していると発言する大臣秘書がいたりして混乱している。KMCはすでに前記の2個所に多額の調査費を投下しているのに政府サイドは依然として煮え切らないことにKMCの担当者は苛立っており、再びトゥンディケールにゴミの山が築かれることを懸念している。


煙突排煙も大気汚染( Kathmandu Post より)
1999年2月16日、環境専門家によれば、大気汚染対策として政府が打ち出した交通規制はトラック業者に厳しいものであるが、一方でカトマンズ盆地内に多数稼動している煉瓦工場のキルンやセメント工場その他の工場の排煙は大気環境に著しい影響を及ぼす要因であり、取り締まり強化の必要がある、と主張している。世界銀行の調査レポートによれば、盆地全体で大気に放出される浮遊物質量の総量は16,565トン/年であり、このうち煉瓦工場から放出される浮遊物質量は全体の31%、またセメント工場はが36%に及ぶと推計されている。これに対して車両がガスとともに排出する浮遊物質量はわずか3%で、再度舞い上げられる土埃りの量9%、その他一般排出14%よりも少ないのである。このため政府は煉瓦工場やセメント工場の燃料やキルンの改善を調査研究すべきである、と専門家は訴えている。環境省もこれに対応する姿勢を示している。


ゴミ処理場問題再燃 ( Kathmandu Post より)
1999年2月18日、カトマンズ市当局がマルパニ村との契約(村内の若い失業者150人を雇用する約束)を履行しない、との理由で処分場入り口を封鎖する行動を再開した。このためまたも首都圏のゴミは都心に山積みされることになりそうだ。市当局は新規の処分場確保に努力している、というが一向に進まないようだ。その原因は近く行われる選挙のためだと市長が弁明している。


各政党が環境に配慮表明 ( Kathmandu Post より) 
1999年4月12日、5月に予定されている総選挙に向けて、各政党と環境専門家および環境ジャーナリストによる対面形式のフォーホラムには大政党が出席を控えたので彼らの主張を十分表明されなかったが、小政党はさまざまな選挙公約をだした。煉瓦工場や汚染の激しい車両をカトマンズ盆地からしめ出してトローリーバスのような環境に優しい交通を促進すること、生物多様性に配慮した施策等を誓約した。


非能率なゴミ処理の悪影響 ( Kathmandu Post より) 
1999年4月22日、ゴミ処理の問題がないがしろにされてきたために、ゴミの不法投棄によって河川は汚れ、都市環境の極端な悪化、住民の健康に有害な非衛生な状況を招き、さらには生態学的なマイナス要因を拡大させたことは、今後の首都圏に重大な悪影響を及ぼす。地下水汚染や大気汚染が病気を蔓延させる。半ダース近くもある政府のさまざまな関連機関は互いに責任の擦り合いで真剣な取り組みがない。ゴカルナのゴミ処分場問題も根本的解決を先送りしているだけである。


生きるための環境認識 ( Kathmandu Post より) 
1999年4月27日、政府は環境汚染については外国との違いという観点から自国の問題として認識していない。質の悪いエンジンや燃料によって大気環境はますます悪化しているのに、さらに600台のテンポー輸入に許可をだそうとしている。またインドの国内ではオイルに含まれる硫黄分は0.09%なのにネパールの輸入品には0.25%含まれている。カトマンズ市内に産する天然ガスを使ったり、交通が渋滞しないように道路整備したりすることにより排ガスの発生を抑制する措置が望まれる。


環境計画の進展なし ( Kathmandu Post より)
1999年5月10日、「ネパールにおける環境教育戦略」というセミナーが開催された。環境省によれば、1992年以来環境教育を小学、中学、高校、大学教育に導入した。しかし、教師の側にしっかりした環境意識が備わっていないために不十分であった。むしろテレビやラジオによる教育効果が大きい。サンスクリットのなかには川や森を敬い、自然を大切にする伝統的思想があることを誇りとして再認識すべきである。


選挙ポスタークリーンナップ作戦 ( Kathmandu Post より) 
1999年5月12日、選挙運動中競って貼られた選挙ポスターが、町の美観をそこねる、として約400人の労働者や選挙運動員が市内に貼られたポスターの撤去、清掃作業を実施した。また、大学の壁も清掃された。


環境汚染物質の脅威 ( Kathmandu Post より) 
1999年5月18日、毒性および化学物質の安全性に関する会議がひらかれた。この席上、ネパールは無知の故に農薬を過剰に使用する農民がおおいこと、ネパールが不良品農薬や中古品の殺虫剤、あるいは西洋諸国で販売が禁止されたものが処分される場所に成り下がっていることが強調された。


田部井さんエベレスト山域環境視察 ( Kathmandu Post より)
1999年5月31日、エベレスト山域の環境汚染状況を視察に来た田部井さんは、山に散乱するゴミの処置をする資金調達はネパール政府の仕事というよりは、むしろ登山者やトレッカーの義務に帰すべきものである、と強調した。ゴミの総量はおよそ2356トンと推計される。


世界環境ディ ( Kathmandu Post より) 
1999年6月3日、世界環境ディにちなんで、カトマンズではいくつかの催しが行われた。ソルティ・クラウン・プラザでは絵画コンテストが開かれた。またアンナプルナホテルでは、再生紙の使用、資源リサイクル、水の節約運動を展開するなどして環境に優しい企業活動をグループ企業全体に波及させる、と発表した。
 また6月6日には女子高校生6人による環境に関する弁論大会も開かれ、パドマ・カニヤ高校のディパ・パンデイが優勝した。大会にはオムカール・シュレスタ環境大臣も出席して国内環境の改善に向けての公約を強調した。


野生象の来襲 ( Kathmandu Post より) 
1999年6月7日、Bhadrapurにおいて、野生の象6頭がMahurmadi村を襲い、家を破壊したりトウモロコシ畑を荒らし、数十万ルピーの被害をもたらし、2人の人命が犠牲になった。村人はトーチをかざし、爆竹をならして追い払ったがすぐまた戻ってくるので、寝ずの番が続いている。地元の人々は、象はインドの森からやってくると訴えている。


環境学校が開校する ( Kathmandu Post より) 
1999年6月8日、カトマンズに「環境管理と持続的開発大学」ができることが発表された。この大学はポカラ大学と提携して、この分野の教育とトレーニングを目的に行政や民間に必要な人材を供給する事をねらっている。3年制のカレッジで、さらに9ヶ月の環境影響評価の修業コースが用意されている。


下水道設備不足が病気を引き起こす ( Kathmandu Post より) 
1999年6月14日、Dhankutaは山岳地域なのでこれまでは蚊がみられなかったが、最近はゴミ容器にも入れず何ヶ月も生ゴミが放置されている。このため蚊の発生がひどく、様々な病気が増えている。「80年間ここに住んでいるが、こんなことは初めてだ。」と土地の古老は嘆いている。


古い自動車の市街地乗り入れ禁止は実現困難? ( Kathmandu Post より) 
1999年6月15日、政府はカトマンズのリングロードの中(市街地)から古くて排気ガスのひどい自動車を完全に閉め出す規制を段階的に実施して2000年の7月完全実施の予定だったが、どうやらこの期限までの完全実施は危ぶまれている。政府はこの実現のために9つの地域に分けて順次実施の計画であるが、細部がまだまとまっていないのが実体で、「3,4月に計画初期の段階を開始したのに、問題が先送りされているのは5月選挙が障害になっているためだ。」と環境大臣が弁明している。


氷河湖決壊洪水の危険を警告 ( Kathmandu Post より) 
1999年6月16日、水資源エネルギー省の応用地質学者であるシュリ・カマル・ディベディ氏は、雨期の到来を前にクンブー地区にある氷河末端のサバイ・ツォー湖が危険な状態にあることを警告している。氏によれば、昨年9月3日のコシ河で起きた空前の洪水の原因がこの湖のオーバーフローによるものである。これは、北海道大学の山田教授によって指摘されていた国内にある危険な氷河湖7カ所のうちの一つであり、その予言が昨年的中したのである。氷河学者であるビル・バル・ラナ博士は、危険とされる氷河湖の一つツォ・ロルパの研究を続けているが、ここではオランダ政府の支援を受けて対策工事が進められているが、完成は10月以降になる見込みなので、その効果のほどは今年の雨期に評価を下される事になる。このような危険な事態は地球温暖化も一つの要因として看過できないところである、と科学者は指摘している。


環境教育を強調 ( Kathmandu Post より) 
1999年7月1日、環境学者であるサンタ・バハドゥール・グルン博士は、これからのネパールにとって、環境教育が重要であることを強調した。1996年に制定された環境保全法の実現には高校レベル(日本の中学)からの環境教育がなされる予定であるが、このためにもすでに開設している「環境管理と持続可能な開発学校」を環境の専門的訓練を受けた人材の育成期間として活用することが重要である事を強調している。


廃棄物からバグマティ河を守れ ( Kathmandu Postの社説 より) 
1999年7月8日、カトマンズ市民に歴史的にも多くの恵みを与えてくれたバグマティ河はいま瀕死の状態にある。市民生活や産業活動からもたらされる多くの廃棄物の行き場を担うことになってしまった。選挙中は候補者が「河の水で顔を洗えるようにする」などとこぞってこの河の再生を約束した。また河床に公園やグランドを作る夢を描くけれども、結局は増え続けるゴミの捨て場になる運命にあるのではないか。


防災事業に日本の援助 ( Kathmandu Post より) 
1999年7月11日、JICAはネパール国内の種々の水災害に対する対策工事、施設のリハビリ、情報伝達、技術移転などのプロジェクトを1999年9月から5年計画で実施する事をネパール政府との間で協定に調印した。このプロジェクトはすでに1991年から実施されているもので、今回は機械設備の供与やその使用人材育成をも盛り込んだものになっている。


チューレ丘陵の森林保全 ( Kathmandu Post より) 
1999年7月15日、ダン地区、デクリ谷の北側ベルト地帯、チューレ丘陵の持続可能開発プロジェクトの関心が高まっている。この地域の255のグループと36の森林利用者団体とで構成するプログラムで、森林保護をしながら適正な利用をするたるめに長期計画を立てるために、すでにセミナーも開始された。


ゴミ処分場協定を更新 ( Kathmandu Post より) 
1999年7月16日、カトマンズ市公社とマルパニ村開発委員会は、懸案のゴミ処分場の継続利用について契約を交わし、今後1ヶ月は使用を延長する事が合意された。これによってカトマンズゴミ戦争については一応の危機回避がなされた。しかし、これにより地域開発省とカトマンズ市公社はそれぞれ4百万ルピーと3百万ルピーをマルパニ村に支払うことになる。しかし、住民側はまだ政府や市当局を信用せず、支払がなければゴミの搬入は一切認めない、と強気である。また、市や政府側も代替地の決定が未だにできていないことから、今回の協定だけではまだ根本的に解決したことにはならない。


氷河湖決壊洪水の危機は改善 ( Kathmandu Post より) 
1999年7月20日、かねてから危険回避のためにオランダ政府の援助を受けて対策工事を実施しているツォ・ロルパ氷河湖は、今年のモンスーンを乗り切れば工事は完成し、より安全になる。しかし、モンスーンには気温も上昇して氷河の融解も進行するし大量の降雨もあり得るので、まだ今シーズンは大洪水の危険がある。このため下流の17の村々に合計19カ所の警報用の自動サイレンが取り付けられた。


懸案の汚染車両の段階的廃止 ( Kathmandu Post より) 
1999年8月6日、2000年の7月までに首都圏から汚染の原因となっている全ての車両を廃止する計画は今後も協力に推進することが運輸大臣の発言からあらためて確認された。9月中旬以後はカトマンズ市内のテンポは全面廃止となる。またポカラやルンビニなど有名観光地においても禁止される。確かにトラックやバスなどの長距離輸送車両に関しては的確な対応が遅れたし、またグリーンステッカー作戦も、法の盲点をつく悪質行為が横行して実効があがらない面はあり、今年初頭の制限領域の段階的拡大による汚染車両の段階的排除作戦は若干遅れ気味だが、より効果的に実施することについては今後も検討を続ける方針であることを確約した。


バグマティ川、ビシュヌマティ川の維持を ( Kathmandu Post より) 
1999年8月8日、「民主主義と人権に関する連携」のシンポジウムで、バグマティ川、ビジュヌマティ川の維持を図る計画が組織化された。郡政府環境人口相B・B・ロカヤ氏、市議会議員で前カトマンズ市長のP・L・シン氏、環境活動家H・R・バイディア氏、B・パウデル博士、環境保護派A・チトラカール氏などがこの計画に参画している。前市長のシン氏は持論である”Clean Green and Healthy Kathmandu”のスローガンをこの中で再度唱えていた。


東部地域での不良食品 ( Kathmandu Post より) 
1999年8月16日、東部地域の食品検査所によれば、前年度1年間で化学食品添加物や色素などが不正に多量に使用された食品が数多くでて、23の食品工場に対して品質改善要求の措置をとった。その多くはビスケット、食用油、家畜飼料の工場である。検査官は結果に基ずいて罰金を科すなどの強制力はない。また提供されるサンプルが過剰添加されていないものを意識的に選んでいる可能性もある。従って検査所の責任者は検査官が訴訟に持ち込めるくらいの制度強化の必要性を強調している。一方、工場の事業主側は食品検査官がしばしば賄賂を要求することに悩まされている、と主張している。


地下水利用の法規制必要 ( Rising Nepal より) 
1999年8月24日、カトマンズで開催された地下水観測と許可制および下水管理計画評価のワークショップにおいて、地下水利用者は適正な利用料の支払を、また汚染水の原因者は何らかの費用負担をするべきだとの意見が強調された。地下水、用水利用、排水処理を含めたカトマンズの水問題全般を司る公的機関が必要であり、とくに現在進行中のメラムチ計画(カトマンズ北方のメラムチ川から総延長28kmにも及ぶトンネルで飲料水を導水する計画)を実現するためにはこのような利用者負担原則とその管理運営主体の確立が重要であることがアジア開発銀行は強調した。


カトマンズ大気汚染観測 ( NEFEJ News より) 
ネパール環境記者会議(NEFEJ)が他の2つの団体と共同で最近実施しているカトマンズ市内の大気汚染観測の結果から評価すると、カトマンズのラッシュアワーの一酸化炭素、炭酸ガス、二酸化硫黄、亜硝酸濃度はいずれも鉱山に立地する工業地域のそれに匹敵すること、また最近5年間で更に悪化の傾向があることが報じられている。なおこの観測結果はラジオ・サガルマータ(FM放送)で毎週金曜日の環境に関する番組で紹介されている。


自然保護のために交換学生 ( Kathmandu Post より) 
9月7日、 駐ネパールパキスタン大使は、自然保護に対する若者の関心を高めるために、パキスタン政府は世界野生生物基金(WWF)の協力を得て、2週間の交換学生制度を来年から実施すると発表した。


テンポ会社経営者が混乱を警告 ( Kathmandu Post より)
9月14日、 人口環境省が「18日からジーゼルのビクラムテンポをカトマンズの中心街から排除する」というが、まだサーファテンポ(ガソリンまたは電気のテンポ)への移行ができないでジーゼルエンジンのままの車が約650台稼動している。運輸業者が要求している免税や新型車両の輸入優遇措置の延長など6項目の要求を政府が認めないなら18日の取り締まりにかかわらず、路上に出て走り回ると警告している。また業者側はリッター15ルピーの軽油に比べて40ルピーのガソリンでは低料金を維持する事はできないと主張している。これに対して警察当局は規制を無視したテンポを逮捕する準備は整った、と発表している。


政府はテンポ禁止を固める ( Kathmandu Post より)
9月16日、 政府は18日からのビクラムテンポのカトマンズ市内乗り入れ禁止と午前8時から午後7時までの時間帯のトラックなどの重車両の乗り入れ禁止を強行する事、これに対する取り締まり体制もできた事を発表した。すでに政府はサファテンポへの切り替えを進めるための優遇処置(輸入税の割引、低利融資など)を実施してきて、未だに転換していないのは業者側の責任である。運輸業者がこの禁止令を無視し、道路を占拠するような事態になれば交通妨害として直ちに逮捕する、と警告した。また環境省は、カトマンズの環境を改善するこの仕事はEuro−T適合車に2000年までに転換するという国際協約によるもので、もう一刻の猶予もないという。また引き続き、これに適合しないバイクも近いうちに規制する予定である事を付け加えた。


もっとサフアテンポを ( Kathmandu Post より) 
9月19日、 政府がビクラムテンポの禁止政策を打ち出してから、電気の動力で動くサファテンポ企業への投資に関心が寄せられている。また最近2ヶ月で150人から注文が入った。3年前に初めて製作を開始してから209台の生産だったのに比較すると異常な人気である。それは環境省がデンマークの資金援助を背景に低金利融資を打ち出したためである。しかし経験豊かな事業家は冷ややかな見方をしている。この車は米国製のバッテリィ、モーター、コンバーターをインド製のシャーシーに乗せて製造されているが、バッテリィは120,000ルピーもする高価なものであるが寿命はわずか2年ほどであり、また運転手は充電のステーションがないことを嘆いている。だから人気はすぐに低落するとみているのである。


排気ガス基準制定へ ( Kathmandu Post より) 
9月28日、 政府がいよいよ排気ガス基準制定へ動き出す。労働運輸省交通管理局は、EURO-1に準拠したネパール版排出ガス基準を策定し、2001年1月から登録を受けようとする車両は全てこれを満たさなければ登録できないように法規制を強化する、と発表した。ビクラムテンポのカトマンズ市内乗り入れ禁止は順調だが、運輸会社のマイクロバスへの転換に資するため、関税の割引などの優遇措置は10月2日まで延長した。人口環境大臣は、ビクラムテンポの問題も法規制もカトマンズの環境を回復するための緊急不可欠な規制であることを強調した。
  [[ 翌日のKathmandu Postの社説も、こうした政府の姿勢について歓迎する論評を掲載している。ただし、このような規制は汚染の激しい都市から順次実施に移し、国全体の一斉規制にはテンポ労働者の失業など問題があるとの指摘をしている。]]


農薬廃棄処分に抗議 ( Kathmandu Post より) 
9月29日、 バルディア県内に保存している使用禁止の古い殺虫剤を森林内に廃棄処分するという政府の案に対して地元住民や環境保護派が強く抗議している。政府が実施したアセスは住民を無視したもので、処分された殺虫剤が川に流れだし下流の農地や国立公園の生物に悪影響を及ぼすことを十分検討していない、というのがその趣旨である。この農薬は25年前に購入されたもので、当時はまだ現行の環境保護法の規制もなかったけれど、政府の命令がなければ処分はできない、と農林省の現地担当者はいっている。


森林の伐採管理に弾み ( Kathmandu Post より) 
10月3日、 MORANG地区の国有林管理職員によると、この地区では住民が協力して小グループに別れて入林区域を分けて利用する事によって森林の無秩序な伐採に歯止めをかけ、森林保全に役立っていると述べている。これまでは乱伐に悩まされていた職員も、住民の協力体制ができてわずか1週間で効果があられたので、これからは不法に木材や薪を切り出す事がなくなるだろうと期待している。


過度の殺虫剤は有害 ( Kathmandu Post より) 
10月4日、 環境ジャーナリスト協会が主催する「農薬、化学肥料、廃棄物の管理についての現状環境挑戦」のワークショップが2日間の日程で開催され、ネパールでの現状報告がなされた。農薬殺虫剤は適正に使用すればその効果は大きいが過度の使用は人の健康を著しく害する。国際自然保護連合の1995年の報告によれば、ネパールでの使用は1ヘクタール当たり142グラムと推計されている。1991年の農薬法、1993年の農薬規則では許可なく農薬および肥料を製造、輸入、販売ができないと規定しているが充分守られてはいなかった。最近の調査では1ヘクタール当たり最低でも35キログラムの肥料を使用する地域もあり、環境への悪影響が危惧されている。この量は最近10年間に73%も増加している事を示すものである。過去に米国は12種類の殺虫剤を製造禁止にしたが、それらを発展途上国へ輸出している、とネパール商工会議所会頭は指摘している。


ISO14000は遠い道のり ( Kathmandu Post より) 
10月6日、 応用理学工学研究センターの主催で3日間の日程で開催されるセミナーの初日、ISO1400(環境管理システムの国際規格)に関する話題が提示され、ネパールでの現状報告がなされた。これによると政府筋には関心が高いが民間企業には関心が薄い。その原因はについて、ネパール基準度量衡局は経営者にその重要性の認識と動機付けがないことであり、この認証取得によるメリットに気づいていないためである、としている。事業家は、好むと好まざるを問わずこの国際基準の重要性を知り、積極的に取り組むべきであると述べている。


ワニが保護区にもどされる ( Kathmandu Post より) 
10月6日、 マヘンドラナガール近くのグルソワ村で、牛舎に迷い込んだワニが山羊を喰い殺し、驚き騒ぐ牛に家人が気づいて森林事務所に通報した。2人の係官がきて取り押さえ、車に乗せて事務所へ運んだ。森林事務所によれば、長さ7フィートもあるこのワニはシュクラ野生生物保護区に返され、ラニタールという池に放たれるだろうと報告した。


国有林財産目録を承認 ( Kathmandu Post より) 
10月7日 森林土壌保全省は7年間の調査結果として内閣に提出された「国有林財産目録」を承認した。これによると国土の39.6%が森林(この中には19.7%の保護区を含んでいる)である。このうち29%は純粋の森林で、10.6%は低潅木林である。1978/79年の調査では森林全体で42.7%で、うち4.7%が低潅木林と見積もられていたから、国土に占める森林の割合は年率0.5%づつ減少、つまり森林の面積としては毎年1.7%減少していることを示す。地域別にみると丘陵地域よりもテライ地域で森林から別の土地利用への変化が激しい。また東西方向の区分でみると西部地域は森林の占める割合も高いが中央地域と同様に森林伐採率も高いので急速に森林面積が減っている。


設備不足で排ガス検査できず ( Kathmandu Post より) 
10月9日 政府は9月17日から排ガスの基準を満たさない車両をカトマンズ市内に乗り入れる事を禁止したが、検査のための機器設備が不足のために検査が十分にできない。Euro−Tの基準に準拠するとすれば走行中は1kmに付き一酸化炭素を2.75g以下に、停車中はその3.5%以下でなければならない。新しく輸入する自動車は3%以下をキープしているけれども、しかし環境保護主義派はさらに窒素酸化物などの有害ガスの測定も必要だとしている。インドはすでに2000年からEuro−Tの基準からEuro−Uの基準に移行する。ヨーロッパ諸国はすでにEuro−Wに進展している。政府は何としても運輸業界の抵抗などの諸般の困難を克服してEuro−Tの基準を実現する決定を撤回せず貫徹することをあらためて強調した。


毒物混入アルコール ( Kathmandu Post より) 
10月22日 Morang地区の警察は約12,000リットルのアルコールを押収、廃棄した。このアルコールには尿素を含む化学肥料が混ざっていて有毒である、と警察は説明している。もしこれを運搬している所を発見した場合は2,000ルピーの罰金を科すこととしていて、罰金の総額はすでに30,000ルピーに達する。


象の赤ちゃん死す ( Kathmandu Post より) 
10月22日 Parsa野生生物保護区で、川でおぼれた象の赤ちゃんが救われたけれども、その後死亡した。レンジャーによれば、野生の赤ちゃん象はマーケットで100万ルピーほどで取り引きされるので野生で育つ頭数は極めて少ない、と話している。


無鉛ガソリンへ転換 ( Kathmandu Post より) 
10月25日  ガソリン輸入を独占しているネパール石油公社(NOC)は、2ヶ月ほど前からネパールに輸入しているガソリンは無鉛ガソリンに転換していることを非公式に発表した。鉛が排気ガスと共に大気中に放出され、癌や気管支疾患の原因となっていることを憂慮し、また政府の汚染防止対策(「Nepal 2001」と称する2000年1月1日から試行される、ネパール版Euro−T排ガス基準)に準拠するためにとられた措置である。NOCは年間5万キロリットルのガソリンを輸入しているが、そのうち80%がカトマンズ盆地で消費されている。


政府は生物多様性計画を導入へ ( Kathmandu Post より) 
10月26日 政府が次世紀にむけた新しい自然環境維持向上のため生物多様性計画を提示する事になろう、と発表した。森林土壌保全省は、森林の無秩序な開発を制限し、野生生物、生態系、林業さらに農業の悪環境を是正する計画を立案中で、完成すれば動物植物の好環境を作り上げる事ができる、と官房長が語った。氏は、DANIDA(デンマークのODA)の会議の席で、ネパールが1988年に自然保護対策を立案し、1889年に森林基本計画を制定したこと、これにより全国75地区のうち55地区において流域管理計画がだされ、そのうち40地区に対してDANIDAが支援し、成功を収めたことを強調した。


自転車デモ ( Kathmandu Post より) 
10月30日 人口環境大臣は、ビニール袋の使用やプラスティックボトル入りの酒類の販売を禁止する事を閣議において提案する、と言った。Nepal Tarun Dal は200台の自転車をつらねたデモ行進をして環境保全のメッセージをアピールしたが、主催者は燃料の過剰な消費が環境汚染を引き起こしたことを提起するとともに行政に対策を要求する、としている。


マスコミに無視された環境問題 ( Kathmandu Post より) 
11月6日 「メディアにおける環境問題セミナー」での発言者たちは、環境問題を政治問題として優先的に扱うだけで地球的問題としての視点に欠け、メディアがまだ十分に機能を果たしていない、との論調が多かった。環境のニュースがあってもその続報がなく、その報道の効果が期待できないとの意見もでた。カトマンズ市長は首都圏でのごみの有効利用を促進することを提案し、またゴミ処理費を含む環境予算は、実に予算総額の40%にも及んでいるのだからもっとマスコミは重要な役割を果たすべきであると主張した。


プラスチック追放村−プラカシプール ( Kathmandu Post より) 
サンサリ県プラカシプールでは、Nepal Explore Groupe が小学校の校舎落成式に際して、ネパール最初のプラスティク追放村を宣言した。この校舎はJICAの支援によって新築されたもので、村の近くには1976年に指定された有名な自然保護区があって、ここには野生の水牛や400種にも及ぶ鳥たちの楽園であり、Nepal Explore Groupe はこの村で8年前から Khosi tappu Wildelife Camp を実施してきた。式典に出席した学校長や村長など有力者もこのキャンペーンを賞賛し、2ヶ月前から始まったこの運動が着実に成功しつつある点を注目している、と述べている。


Koshi Tappu の鳥達の危機 ( Kathmandu Post より) 
11月14日 KOSHI TAPPU 野生生物保護区には遠くシベリアやスペインからやってくる渡り鳥が多く集まる川のなかの湿地がある。これはインドが洪水防止のために建造したダムによって形成されたもので、インドとネパールとの契約によって管理権がインド側にある。このため保護区には繰り入れられなかった地域で、広さは約30kmほどあるが、ここでは地元の住民であるbanjarasという種族たちがカスミ網などを仕掛けて貴重な野鳥を捕獲し食用にしている。けれども保護区になっていないために取り締まることができない。こうした無法な行為が行われても政府が何もしないということに、外国のジャーナリスト達も報道するようになった。ベンガル・フロリカンは最近ここで観察できなくなったので絶滅したかもしれない。このほかにも世界で数十羽しか生息しない貴重種が100種類ほどこの湿地で観察できる。このような貴重な場所を、政府も認識してニューデリーで開かれた国境会議で我々の主張をみとめて保護区の拡張が認められそうである、と保護区の担当官は希望が見えてきたことを表明した。


シャクナゲ林の保護 ( Kathmandu Post より) 
11月14日 TEHRATHUM地区では31種のうち28種の貴重なシャクナゲが生息していて、観光的な資源としても貴重である。ところが放牧地として利用されたり燃料用に伐採されたりしているのが現状であるが、この地域は海抜2,800フィート前後の高地であり、再生が間に合わずいずれ消滅の危機が予想された。そこで地域の自治体ではシャクナゲ保護管理委員会を設置し、保護活動に乗り出すとともに観光客誘致のためBasantpur,Gupha,Taplejung,Athari,Myanglung等の有名な観光ポイントを巡回できる環状道路建設が承認された。 


廃棄物処理の機動部隊 ( Kathmandu Post より) 
11月15日  首都圏の廃棄物処理問題に対する機動部隊が、地域開発委員会、地方自治体、観光業界、貿易会社、廃棄物管理資源化センター(SWMRMC)等の合同協議により発足した。当面の課題としてゴカルナの処理場が来年2月に満杯に達するために代替地の選定を急ぐ事として、1ヶ月以内に報告書をまとめることになった。また同委員会はゴミのうち有機物は肥料に、プラスティックは再生利用するプラントについても検討する。その場所としてはかつて候補地として上がっていたが住民の反対運動で中止されたままになっているスンダリガートが適地とされている。


超近代的廃棄物管理 ( Kathmandu Post より) 
11月19日  地方開発省は、来る世紀にはゴミから有機肥料を生産する近代的で科学的施設を備える、と発表した。しかし識者は、これはインドの模倣品で、その案に反対しているものもいるが、建設予定のシュチャタール村開発委員会は「場所としてはグデンリクンデの近くが望ましい」と主張している。政府はこの代償として地域の開発に努めるとの約束をしている。  


5人のトラック運転手が負傷 ( Kathmandu Post より) 
11月22日  午前11時から午後3時まで市の中心部に乗り入れを許可されていたトラック運転手が朝8時から午後7時までにする事を人口環境省に要求して、市内から国際空港へ通ずるアルニコ通りを封鎖する抗議行動をしたが、警察官から強制排除され、この際5人が怪我をした。5人は病院で手当てを受けた後帰宅を許された。


林業方針転換に怒り ( Kathmandu Post より) 
11月30日  共同体森林利用者団体の代表は、最近の政府決定がこれまで利用者に認められていた権利を侵害するもので、法的にも違反すると述べた。森林土壌保全省は去る11月2日に国内各地の支所に11種の樹種について伐採を禁止したが、これは新内閣の方針として新規の森林管理システムとして導入されたものだが、これはサール樹のような政府の設定価格よりも安値で売られる事を是正する目的であった。政府によれば、共同体森林はネパール国内の29%の森林面積の60%を占めていて、9000余の区域に個別に引き渡している。近年のこの管理体制は成功例として語られ、推進されてきた。開発計画によって収入や雇用の確保に妨害するようなものではない。


生態系を専門家が絶賛 ( Kathmandu Post より) 
12月1日  ICIMOD(山岳地域総合開発国際機構)とWWF(国際自然保護基金)の主催によりブータン、中国、インドなどヒマラヤ地区の80人の専門家が集い、ワークショップが開催された。この地域の貴重な地形や自然環境、サイやベンガルトラなどの貴重種の動物、高山植物の保護の必要性が強調された。またこれらの生態系が相互に関連している自然界のメカニズムの解明とその保全の必要性、種の多様性の維持の重要性が語られた。 


環境対策は歓迎されている ( Kathmandu Post より) 
12月8日 人口環境大臣は、最近の環境政策、特にカトマンズ盆地のジーゼルテンボーの規制は世界各国のメディアから歓迎の報道がなされている、と述べた。また大臣は2001年までには2ストロークのエンジンを使ったバイクの規制も実施すると言う。マイクロバス業界は、代替に適するバスがアジア市場にはないと言っているが、サファ・テンポーはすでに323台が市内を走っていて観光客や市民に支持され、電力のチャージングステーションもすでに15カ所になっている。さらに車両の製造を待っているのが200台分ありこの投資総額は3億ルピー、また10カ所のステーションの建設が予定されていてこの分野の投資は1.9億ルピーに達すると予想される。


環境アセスメント教育 ( Kathmandu Post より) 
12月8日 環境アセスのトレーニングプログラムが正式に開始された。政府がこれまで効果的な環境改善施策を実施できなかったのは大衆に環境影響の正しい認識が乏しかったためで、トレーニングを積んだ専門家の養成により今後は強力な政策を推進できる素地ができることが期待されている。今回の環境管理と持続的発展専門校のトレーニングコースは15日間で、参加者は27名を数え、NGOの代表や政府の役人が参加している。


ゴミ処分場に住民反対 ( Kathmandu Post より) 
12月21日 Syuchatar村の開発委員会は、政府が首都圏のゴミ処分場として同村を選定したことに反対した群衆のうち29人を拘留したことに抗議した。20日月曜には廻りのSitapaila村や Purano Naikap村の開発委員会の議長や副会長を含む村民など数百人の政府の処分場計画反対デモが行われた。 拘束された29人のうち27人はその日の夜に釈放されたが、闘争委員会の委員長と、開発委員会議長は翌日火曜日まで拘留された。委員長は「160ロパニ(約88,000u)の予定地のうち3分の1は耕作に適した土地であり、周囲には寺もあり風光明媚な土地柄であり、ゴミ処分場計画には断固反対する。」と声明している。この運動には有名な女優も賛同しており逮捕者の即時釈放を要求した。村民は何の説明も受けず、意見も求められていないので専門家が政府に出した環境アセスメント報告書はでたらめだと主張している。政府筋によればこの報告書は政府の承認待ちの段階だという。


政府ビニール袋を禁止か ( Kathmandu Post より) 
12月29日 毎日買い物に使う薄いビニール袋が過去のものになるかもしれない。人口環境大臣は、ポエチレン袋の禁止を盛り込んだ法律の検討をしていると発表した。インドでは黒いポリ袋は癌の原因になるとして10月に使用禁止にした。我が国内に179個所ある工場はまだ操業を続けている。カトマンズでは、一人一日当たり22.5グラムのポリ袋を使用している。これがゴミ発生量の5%を占めている。袋入りアルコール飲料や医療用品のゴミは地方都市も汚染して環境汚染上の悩みの種である。内閣は事業所側との協議を行った上で禁止の法制化を予定している。