ネパール環境の話題 ’16 



Bardiyaの住民がイルカ保護に団結      (Kathmandu Post より )

10月29日 ガンジスイルカの生息数は減少傾向であるが、Bardiya地区の住民がイルカの保護に立ち上がった。魚の資源を守るため、あるいは流域の電源開発などによりイルカの数は激減している。Narayani,Karnali,Saptakosi,Mahakaliの4大河川において、合わせて30匹足らずのイルカが確認されている。2013/14年のセンササスによれば、Karnali川で12匹、Narayani川で14匹が確認されたがMahakali川では生息が確認できなかった。Bardiya国立公園では、民間組織がイルカ保護を目的に地域のイベントを催し、住民の保護意識高揚を図った。

879番目の野鳥新発見      (Kathmandu Post より )

10月16日 世界的に絶滅危惧種となっている灰色の面をしたツグミがネパールで初めて観察された。これはネパール国内に生息する鳥として879番目に記録されたものである。この鳥は、中国、ミャンマー、タイ、ラオスで観察されており、その生息数は2500から1万羽未満と見積もられている。ネパールで発見された鳥類879種のうち、167種が絶滅危惧種であり、今後も保護に努めるとともにその調査体制を確立していく必要がある。

Tilaurakotの森林で生物保護に成功      (Kathmandu Post より )

10月16日 Tilaurakotの共有森林では、8年前から森林内での動物を保護する活動を続け、最近ではクジャク、テン、シカ、ジャッカル、イノシシなどが多様な動物よく見られるようになった。森林管理組合では更なる保護活動プログラムを行う予定だという。

仔サイがヒョウの攻撃を受ける      (Kathmandu Post より )

10月16日 チトワンの西部にある村で仔サイが1か月前にヒョウの攻撃を受けて複数の深い傷を負った。獣医の治療を受けていたが死んだ。この他にも、電気柵により関電で死んだ仔サイもいる。密猟者による銃弾で殺されるサイも後を絶たない中、野生生物病院、救出センターの役割は大きい。

Bagmatiキャンペーンは続く     (Kathmandu Post より )

10月15日 バグマティ川を清掃する運動は179週めを迎えたが、今回はパシュバティナートの近くで行われ、元の在中国大使や商工会議所の会長、副会長、広告業界団体の会長などが参加し、この運動の拡大強化に貢献した。

ビャクダンとハーブの密輸      (Kathmandu Post より )

9月25日 ウライバンジャンの国境警備隊は、ビャクダン、ハーブ、トラ、ジャコウジカ等をチベットへ密輸しようとする業者が増加しているという。高地ではハーブを密輸目的で採取するためにテントを張っているものもいる。これらを輸送するために少なくとも123人のポーターが雇われていたという。

廃棄物処理に融資契約      (Kathmandu Post より )

9月21日 ネパール投資委員会(Investment Board Nepal)はカトマンズ盆地の廃棄物処理業者2社(Nepwaste と Cleen Valley Company)に対して資金供与の契約を行う。Nepwasteは第1部門(カトマンズ、ラリトプール、キリティプール及び近隣村)をCleen Valley Companyはだ2部門(バクタプール、ティミ、マディヤプール及び近隣村)を担当する。投資額は、前者は60億ルピー、後者は20億ルピーである。この契約にはまだ業務内容の詳細において合意ができていないため、関係官庁と両社が協議中である。

気候適応村を設定      (Kathmandu Post より )

9月15日 政府は今年度予算の中で気候変動に適応すべきモデル村”climate-smart villages”を150ケ村指定する予定である。これは今後の気候変動により大きな影響を受けた場合、様々な技術的対応策を講じていくことを目的としている。灌漑用水の供給、たい肥の改善、家畜小屋の整備、生活環境の改善など多方面にわたる対応策が考えられている。

Chureで森が侵略されている      (Kathmandu Post より )

9月14日 Chure地区の森林では国有林と共有林の中で29ケ村にまたがって約1824ヘクタールが不法な侵入者によって開墾され、すでに定住している。彼らは代替の避難先を用意してくれなければ退去できないと主張しており、これに対して森林土壌保全省は、5年かけて彼らを森林から退去させるといっている。このための委員会が作られたがまだ機能していない。

ヒョウが民家で出産      (Kathmandu Post より )

9月10日 バクタプールの近くの村でユキヒョウが民家の中で3匹の仔を生んだ。家の持ち主は、地震で被害を受けたためこの家を長期間空けていて、100mほどた離れた場所に住んでいるという。驚いて警察署と森林事務所に連絡したが、ヒョウは仔に餌を与えるため毎日帰ってくるようで、付近の住民も夕方ころ母ヒョウをときどき見かけるという。森林事務所は中央動物園に連絡し、近く保護作戦を開始する。

野生生物救急車がカトマンズに配備      (Kathmandu Post より )

8月30日 野生生物保護の観点からネパールで最初の野生生物救急車がカトマンズに配備される、とNational Trust for Nature Conservation (NTNC)が発表した。この車には野生生物の救出や獣医学的な治療器具が備えられており、現在はNTNC内に置かれているが、中央動物園の野生生物リハビリー施設の体制が整ったらそちらへ移譲される予定である。カトマンズ市内ではユキヒョウなどの野生生物が捕獲保護される事件が数回起きているが、これからはこのような事態に対して迅速な対応が取れるようになる。

Bishnumati川から55トンのゴミ回収      (Kathmandu Post より )

7月10日 首都カトマンズのBishnumatiクリーンナップ作戦が第100週目を迎え、流域の各地から55トンの固形廃棄物を回収した。2013年5月18日に開始された開始したBagmati川のほうは165週目になる。

Bagmati川から17トンのゴミ      (Kathmandu Post より )

7月2日 164週目となったBagmati川クリーンナップ作戦では、上流部のishwaniketan中学校の背後地域から17トンのゴミを回収した。キャンペーンの主導者たちは、パンフレットを近所の家庭に配ったが、これには「Bagmati川にゴミを捨てたら10万円の罰金と懲役刑にに処せられる」との警告が書かれている。

環境局が大気汚染モニター施設を3か所設置      (Kathmandu Post より )

6月23日 カトマンズ盆地内に3か所の大気汚染モニター施設を設置することを環境局が発表した。これは、国際山岳開発総合センター(ICIMOD)の支援によるもので、最終的には6か所に増やす計画だ。かつて、2002年にデンマークの援助により7か所に設置されていたけれど、故障で動かなくなって久しい。カトマンズの大気汚染はひどく、有毒な多環芳香属炭化水素(PAHs)が2.74から81.5ng/m3とWHOガイドライン1みき/も3の2倍から80倍である。またPM2.5も500μg以上と人体に悪影響を及ぼすレベルであると研究者から報告されている。

世界環境デー      (Kathmandu Post より )

6月5日 学生や環境保護主義者たちは、政府に対して憲法上の環境権を守るような政策を実施することを求めて、自転車や歩行によるデモ行進を行った。米国エール大学での研究によれば、カトマンズは、世界180ヶ国の中で環境パフォーマンス指数が健康と環境保護の面で149位、大気のクリーン度で177位という極めて低い状態にある。これは政府の怠慢によるものだと彼らは指摘している。

Kuleshworの民家にユキヒョウ      (Kathmandu Post より )

6月1日 今日の朝7時ころ、Kuleshworの民家に隣家からジャンプして1頭のユキヒョウが入ってきた。kalimati警察管内のチーフのによれば、ユキヒョウはまだ家の中に潜んでいて、地区森林事務所員や動物園の専門家、警察官らが駆けつけて捕獲を試みている、という。付近の住民には退避を勧告したが、その家の住民はまだ家の中にいるという。ユキヒョウがカトマンズ周辺の民家に入る事件は今年1月にNew BanesworとKirtipurで起きている。

廃棄物をエネルギーに転換      (Kathmandu Post より )

5月23日 2014年12月9日に、廃棄物をエネルギーに転換することを主眼として政府関係を含む各方面の協力機関が糾合された。この成果として、内閣は廃棄物によるバイオガス工場を設置するために800万ドルの大規模プロジェクトを承認した。代替エネルギー推進センター(AEPC)はこのために設置された組織であり、これでようやく具体的な計画が動き出すことになった。当面は、インドの都市にある工場をモデルとして設計していくが、これには廃棄物の徹底した分別収集という課題がある。廃棄物利用の肥料製造やセメント工場の燃料利用など、これまでも試行されたものはあったがそれらが十分に機能しなかったのはこれがネックになっていたからだ。この問題を解決するには廃棄物収集を担当する自治体や法整備を図る政府・議会が一体となってプロジェクトの推進を図るため努力する必要がある

固定観念打破、新設備がバグマティ川の清流を守る      (Kathmandu Post より )

5月11日 バグマティ・クリーンアップ・キャンペーンのボランティアや当局者は、パシュパティナートで電気火葬機器が使用されるようになって、川がきれいになったと主張している。1月25日に電気火葬炉が稼働を開始してから遺体のうち約50%、約1500体がこの方法を選んだ。これはインドの技術支援を受けたものであり、1遺体の処理量が3,200ルピーかかるのに対して、伝統的な薪を使用する場合は10,000ルピーを要する。経済的にも環境的にも新方式の方がよいのであるが、伝統的な荼毘による方法を選ぶ家族は依然として多い。

カトマンズの住民の健康被害      (Kathmandu Post より )

5月1日 カトマンズ市内では、大気汚染が深刻な状況にあり、街頭で物売りをしている女性も、呼吸器系の疾患に悩んでおり、その原因が大気汚染ひどさによると気づいている。「汚染の原因は、自動車排煙、道路やビル建設のダストやガレキによる微粒子の他、ネバール各地で発生する山火事の煙等もある。カトマンズは世界有数の大気汚染都市であるが、そのことについて十分に市民への注意喚起がなされていない。これらの汚染物質は当然人間の肺に悪影響を及ぼしているが、大気汚染のモニタリングが不十分で健康被害との関係も検証もされていない。」とNESSの専門家トーラン・シャルマは嘆いている。

干ばつがチトワンの野生生物に悪影響      (Kathmandu Post より )

4月21日 Chitwan国立公園の湖が干ばつで干上がっていて、水生生物や水辺の生物に打撃となっている。この地域には56ヶ所の湖沼があるが、このところの長い乾季で雨が降らず、水量が極端に減り、そのうちの8か所は完全に干あがってしまった。このため水鳥の約60%が厳しい環境に直面し、極度のストレスとなっている。

森林職員が討伐の責任を負う      (Kathmandu Post より )

4月3日 Kailashpatiの地区森林事務所の所長と副所長は、林業業者の違法な討伐の事実を知りながら、これを黙認したとして、広域森林事務官がこれを告発した。この事業者は、過去8か月間に1万立方フィートの木材を違法に伐採したとして告発されたが、業者だけでなくこれを見逃した監督官にも責任を負わせることになった。

RARA湖の水位が1.5m下がる      (Kathmandu Post より )

3月24日 RARA湖の水位が平常よりも1.5m下がっている。これは昨年7月以来の降水がほとんどないことが原因とみられるが、灌漑用水の不足や飲料水の不足に脅かされている。湖にそそぐ小川が62本あるが、いずれも水量が減少し、この現象に地元の人は危機感を抱いている。この付近を流れる大河カルナリ河も平年よりも水位が下降している。

Naya Shakti 都市クリーンナップ作戦を開始      (Kathmandu Post より )

3月20日 首都カトマンズでは、Naya Shakti が都市クリーンナップ作戦が開始した。これは、旅行者が集まるユニセフの世界遺産サイトに優先的に支援されて実施されるものであり、これから毎土曜日ごとに実施される。この運動は超党派でやるべき課題であり、先ずは寺院などの周りから始めるが、市内の道路全域に活動を広めなければならない、と党首のBaburam Bhattaraiは強調し、広く一般市民に参加を呼びかけた。

ユキヒョウの生息地が狭まっている      (Kathmandu Post より )

3月4日 Pokhraに近いHemjaで1頭の負傷したユキヒョウが死んだ。これは人間の手にかかって傷ついたものとみられている。この付近では最近1か月半の間に6頭のユキヒョウが肉を食用にされていた。これはユキヒョウが山の中で十分に食料が得られないために人里に現れることから起こっている現象である。実際に村の家畜や人間がユキヒョウの被害を受けた例も多い。ユキヒョウの保護活動と里の村々との共存の困難性がある。

Banke,Dang,Bardiaで共有林が成功      (Kathmandu Post より )

3月3日 これらの地域では土地を持たない人々が勝手に森林を伐採し住み着く事件が多発したが、モデル森林として再開発されている。荒廃した土地にはグスべりーや竹などを植林し、住民がこれを利用して利益を得るなどの活用もできるようになった。ところがBardiaでは別の場所での新たな森林侵略があったとも報告されている。

チトワンのサイをBardiya国立公園へ      (Kathmandu Post より )

3月2日 Chitwan国立公園からBardia国立公園へサイ1頭が移された。近日中にさらに4頭が移動される予定である。これは今後3年間で25頭のサイを移動する最初の段階だという。この再配置は、密猟によって減少したBardia国立公園での保護活動をさらに活発化する目的だというが、環境保護派はこれに対して疑問を投げかけている。密猟が根絶されていない地域に移動したサイの安全性が保障されないというのが彼らの主張であり、地元住民は逆に村落への侵入の危険が増すとして反対している。

Bardiya国立公園で野生生物見物人の安全訓練      (Kathmandu Post より )

2月17日 オランダ人観光客とネパール人の案内人が公園内でトラに襲われる事件があったことから、公園の管理者は、職員やガイドの安全だけでなく観光客の安全に関しても訓練する必要がある、としている。襲われたオランダ人は木に登って2時間、助けが来るまで待ち、かろうじて助かった。ガイドは襲われてけがをしたが命は助かった。この事件以来、訪問者にはすべて事前に安全トレーニングを受けてもらうことにしているという。

太陽光街路灯に大型助成金      (Kathmandu Post より )

2月1日 政府は、カトマンズをはじめ全国の都市に太陽光発電の街路灯設置に際し、政府が60%、自治体が25%補助する政策を実施する。電柱1本につき約10万ルピーが必要で、710Kmの街路に10,000本の設置をするだけの予算措置をするという。これは、停電が頻発している慢性的な電力不足状態の緩和にも役立つもので、市民の積極的な要請に基づいて先着順に資金を交付するという。なお、学校、病院などの場合は、政府と施設側とが70:30の割合で負担するということだ。

ドビ・コーラのクリーン活動が100週目      (Kathmandu Post より )

1月24日 バグマティ・クリーンアップ・キャンペーンが40週目に至った時から始まったドビ・コーラ・クリーンアップ・キャンペーンは、今回で100週目となった。記念のこの日集ったのは、副首相や環境大臣はじめ警官、武装警官隊、学生、一般人など1500人で、およそ115トンにおよぶゴミを川から取り出し処分した。毎週土曜日に行われるバグマティ川を含むこのキャンペーンにはカトマンズ市内の950以上の組織が関与している。

サイに無線標識      (Kathmandu Post より )

1月24日 Bardia国立公園では、標識となる無線発信機を取りつけたサイが2頭放たれた。野生生物保護センターによれば、これはGPSシステムでサイの位置が常時観測されるもので、サイの生態系、行動範囲を正確に知るうえで非常に有効な手段であり、今後の保護活動に資するものである。サイは隣接するインドの野生生物保護区との間で行き来しているものと予想され、こうした行動をモニターすることで実効性のある保護活動が可能になる。同様の標識をつける取り組みはトラでもすでに行われており、ネパールは国際的にもトラとサイの保護に成果を上げている。

水鳥の生息数調査が始まる     (Kathmandu Post より )

1月17日 チトワンでは、鳥類学者と野鳥観察者のグループが国立公園内で水鳥の生息数の生息数調査を始めた。またこれと並行して他の4チームがトラの調査も開始する。これらの結果は、地の地域の調査結果と同時に発表される予定である。

没収生物の部位を管理     (Kathmandu Post より )

1月14日 政府は、違法に捕獲した生物の部位を没収した場合、これを焼却廃棄することを原則としてきたが、これを保管管理するための法律をつくるため、委員会を立ち上げた。これまでも、サイの角などを焼却せずに保管していて問題になったことがあり、法的な整備が必要になっていた。

ユキヒョウがヤギを襲う     (Kathmandu Post より )

1月5日 ムスタンでは、ユキヒョウが農家のヤギを襲い、少なくとも27頭が死滅した。ユキヒョウの保護活動が盛んになって4年になるが、その結果生息数が増えて、村の近くの森林にまで餌を求めて侵入するようになり、9月にはこの地域で100匹以上のヤギが被害にあい、農民は対応に苦慮している。保護活動をしている事務所の対策としては、太陽光を利用した家畜保護器具の取り付けを進めることで被害回避効果があるとしている。


クリーン・バグマティ活動が138週目   
(Kathmandu Post より )

1月3日 首都カトマンズで2013年5月18日から実施されているバグマティ・クリーン・キャンペーン活動は、今回で138週目となった。この日集ったのは、警官を含む30人の役人、武装警官隊30人、学生70人、一般人200人で、活動に参加したSitaram Kattelは、政府の公衆衛生担当として有名であり、彼は、政府や大学関係者にも参加するよう強く呼びかけた。そしてこの運動がカトマンズ盆地以外にも波及することを目指すことを強調した。