ネパール環境の話題 ’08 

 森林面積の縮小   ( Kantipur より)
11月26日 政府、森林局によれば、昨年度は最近10年間で最も森林面積の減少が著しく、約10万ヘクタール減少したと発表した。その主な原因は、違法な森林占拠によって多くの国有林が違法に伐採されたり、開墾されたりしたためである。このような問題は10年間に及んだ政治的混乱期に多く発生したものだが、新しい政治体制に移行した現在も続いているばかりか、むしろ増加しているとみられる。森林局によれば、国内の森林面積は、1990年には481万ヘクタール、2000年には390万ヘクタール、2005年には363万ヘクタールであった。これと比較しても昨年度の減少量が異常に大きいことが明かである。これにはマフィアや木材密輸業者が暗躍していることが明かであるにもかかわらず有効な対策を打ち出さなかった政治的怠慢によって引き起こされたものと警告しており、取り締りの強化が望まれている。

 コシ河洪水は大災害   ( Nepalnews.com より)
2008年8月29日 Sapta Kosi河が8月20日に氾濫した大水害は、その後の調査が進むに従って、かつてないほどの大災害であったことが次第に明かになってきた。政府によれば、約7000戸の住宅が被災し4万人の住民が避難した。この内1000戸は完全に流失、3000戸が甚大な被害を受けている。田畑の被害は約3億ルピーと見積もられている。また学校などの公共施設、電話回線や電力ケーブルが破壊され通信や電力供給に多大な影響が出ており、被害は10億ルピーを越えると見られている。カトマンズと東部ネパールを結ぶ幹線道路が被害を受けたため長距離バスやトラック輸送が寸断し一部船での渡河に頼るしかない状況である。人の往来は飛行機を使う人が激増し、便数は倍増しているが間に合わず、インド経由のルートをとっている人もいる。復旧には数ヶ月かかる見込であり、加えて雨季はまだ終わっていないため、更なる被害の拡大も懸念されている。

 村人がごみの搬入を阻止   Kantipur(写真報道)
6月25日 カトマンズのごみの最終処分場のあるSisdole村の人々は、政府が彼らに約束した地域開発、基盤整備が全く進んでいないことを不満として、ごみの搬入を阻止した。このためカトマンズ市内の路上にはごみの山があちこちにできている。石油の値上がり、供給不足によるごみ収集の困難に加えて、新たな問題をかかえて、首都圏のごみ問題は深刻化している。

 警察が強行手段   Kantipur(写真報道)
6月3日 テライ地域で、違法に森林に侵入して建てられた小屋を警察が焼き払った。テライでは、年間数千エーカーの森林が不法侵入により伐採され隠れ家や農耕地にされている。

 角を盗まれたサイ   ( Kantipur より)
6月1日 Bardiya国立公園の当局者によれば、密猟されたとみられるサイは、この10ヶ月の間に死んだ10頭のうち7頭とみられる。昨年この公園に移送されたサイは31頭なのでそのうち20頭は公園内に生息していると見られる。政府は、1986年から2002年までの間83頭のサイをチトワン国立公園からBardiya国立公園に移転させた。しかし、これらは全て密猟者によって殺されたとみられる。公園内には14ヶ所の見張り所があるが更なる監視強化策が求められる。4月26日には国軍兵士一人と逃亡兵3人を密猟の罪で逮捕したばかりである。

 激しい森林地帯の侵略   ( Kantipur より)
5月18日 一部政府機関の正しい政策の欠如によつて、カマイヤなど奴隷労働者解放のため居住地として国有林を提供するという美名の元に何千もの違法な占拠によって多くの国有林が脅かされている。昨年このように不法占拠された森林は8万ヘクタールに及んでいる。地域共有森林利用者団体の議長によれば、現在、国土に締める森林は550万ヘクタールであり、この内65%が地域共有森林であるが、国有林への違法な侵略によって、マフィアや木材密輸業者が暗躍し森林伐採はいちぢるしく増加したと警告している。同議長は、これら解放地域を利用者団体の管理下に置かなかったのは政治の怠慢だと指摘しているか、これに対して政府当局者は、実態は承知していたが、憲法制定国民総選挙のために政治的な判断が困難だったと弁解している。

 サイと監視員の死   ( Nepalnews.com より)
2008年4月5日 Bardiya国立公園内で、密猟されたとみられるサイが1頭死体で、角を取られた状態で見つかった。またそこから400メートルの場所に監視にあたっていたネパール軍の隊員一人が遺体で発見された。監視担当事務所によれば、犯人は武装した4,5人の密猟者と推定される。

 サイの個体数増加   ( Nepalnews.com より)
2008年3月24日 チトワン国立公園で16日間にわたって行われた調査が昨日しゅうりょうしたが、その結果サイの個体数は3年前の調査時点よりも36頭増えて408頭が確認された。野生動物保護局によれば、この内100頭が牡で130頭が雌、残りの178頭は未確認でぁる。また277頭は成獣、51頭は青年期、80頭は子供である。

 トラック2台分の紫檀が中国に密輸   ( Kantipur より)
2008年3月20日 ずさんな警察の取り締まりによって、紫檀を積んで中国に輸送中のトラックを2台取り逃がしてしまった。バネパに向かってアルニコ国道沿いの各所で違法な木材積み込み・輸出中との情報が国道の先にあるドラルガートに伝えられたのは2時間後だった。取り逃がした一味は、ガネシュ・ラマを名乗るグループと見られる。警察の発表によれば、情報の伝達が遅れたのは武装警官隊を整えるのに時間がかかったためだと釈明している。

 カトマンズに水道管理の新組織   ( Kantipur より)
2008年2月3日 カトマンズ盆地水管理委員会とカトマンズ盆地飲料水会社は、水道事業の新しい体制づくりについて協議した。これは、効率的な管理を行うために、、アジア開発銀行の支援により2011年に完成予定のMelamchi飲料水計画の前提条件とされていたものであり、新組織に事業を移転することにより現在の水供給会社は役割を終えるが、カトマンズ以外の地域での事業は継続される。盆地内の会社資産・負債は新組織に移管されることになる。

 清掃活動の女学生   ( Kantipur (写真報道) より)
2008年2月1日 Tanahu地区 DamaurにあるSatayawati中学校の生徒達は、学校の周囲を清掃する活動を行った。生徒達は、そのような綺麗な環境を維持するための活動を定期的に実施する計画だという。

 腐敗した水中の目立たぬ勇姿   ( Kantipur より)
2008年1月31日 Tinkne地点のバグマティ川で子供がおぼれた事件は、1月21日の出来事だが、この時出動した警察官は17人だった。残念ながらおぼれた子供は死体で発見された。ところがこの時勇敢にも川に飛び込んだ警察官は、その後発熱し、頭痛,吐き気,下痢に悩まされ数日間寝込んだ上、今も薬が必要な状態が続いている。原因は汚れた川の水を飲み込んでしまったことにある、という。カトマンズ以外の地域でも川に飛び込んだ警官が二人おり、症状は軽いが同じような病気にかかったと見られている。これら3人は、警察の監察官から勇敢さをたたえられ謝辞を受けた。