ネパール環境の話題 ’05 


 医療廃棄物が健康に有害   ( Kathmandu Post より)
2005年12月25日 カトマンズの資料によれば、毎日約3トン発生する医療廃棄物は、バグマティ川の岸辺に設置したゴミ処分場に一般ゴミと一緒に捨てられていることを示している。しかし、市当局はこれを否定し、しかも悪いことには、新しくできたOkharpauwa の Sishdol廃棄物処分場が、本格稼働し始める来年10月になっても医療廃棄物の受入はしない方針だと言う。医療ゴミの約80%は危険でないけれども残り20%は健康に有害なもので、焼却するなどの処理をしなければ健康被害をもたらす恐れのある危険なゴミである。2002年にThekuに設置された焼却炉は住民の反対で使用されておらず、実体調査によれば医療ゴミの大半、ほぼ90%は道路脇に埋めたてられているのが実体であり、早急な解決が望まれる。


 日本が21台の廃棄物運搬車を提供   ( Nepalnews.com より)
2005年12月10日 日本政府が約7千万ルピー相当の廃棄物運搬車21台をネパール政府に提供することを平岡大使が公表した。この内17台をカトマンズ市が利用し、残りはパタン市が利用する予定である。この車両で両市のゴミの80%から85%をOkharpauwaに新しくできた処分場まで運搬し、処理することが出来るという。


 レンガ工場の規制強化を最高裁が命令   ( Kathmandu Post より)
2005年12月10日 最高裁は、科学環境省に対して盆地内にあるレンガ工場の窯に対する技術レベルを上げるために規制を強化するよう命令を発した。これは盆地内の大気汚染を懸念して関係者13名が告訴したことに対する判決で、同時に最高裁は、科学環境省と産業商業省に対して公的で専門化を交えた研究委員会の設置を命じた。


 盆地の大気環境が悪化   ( Nepalnews.com より)
2005年12月7日 11月27日から12月3日までの1週間のカトマンズ盆地内の大気中浮遊物質量(PM10)のうち都心部5箇所の観測値が前の週よりも更に悪化した。7個所ある観測地点の中で、MatsyagaonとThamelは値が下がった。これらを除くすべての観測地点で増加し、週間平均値でPutalisadakでは、先週が246.3から今週は250.28となり、全地点のなかで最高値を記録した。都心部はいずれも「不健康」レベルの評価となった。Bhaktapurの機器は不調で今週中4日間の記録が取れていない。


 鳥の輸入禁止   ( Kathmandu Post より)
2005年10月20日 政府は、アジアやヨーロッパでの鳥インフルエンザの流行に対応するため鳥の輸入を全面的に禁止した。ネパールは2003年からインド、バングラディシュ、ブータン、スリランカ、ヨーロッパ諸国以外の国からの鳥の輸入を禁止しているが、今回はそれらの国々からの輸入も禁止するものである。


 ヒマラヤ虎の組織的密貿易   ( Kantipur より)
2005年9月23日 ニューデリー発。ヒマラヤ虎とヒョウの密猟と密貿易は一向に減少しない。インドで捕獲されたこれら野生保護動物の毛皮が、ネパールを通過して中国へと密貿易で取引されている。8月に環境調査機関とインドや野生生物保護協会による調査が行なわれたが、洋服に加工された毛皮が公然と取引されていた。また中国リンシャでは、ユキヒョウやカワウソの毛皮が大量に、しかも公然と店に陳列され、売られていた。8月10日には虎とヒョウの毛皮103匹分がカトマンズで押収され、インド人が逮捕された。また、中国との国境付近の町タトパニでも虎の毛皮が押収された。こうした闇取引には、犯罪組織がかかわっていると見られており、このまま放置すればこれらの保護動物は絶滅の危機を迎えることになる。


 Annapurna清掃登山   ( Nepalnews.com より)
2005年9月20日 韓国の漢氏を隊長とする22人の登山隊がAnnapurnaの清掃をする予定である。隊員には2人の日本人とフランス人1人が参加している。登山ルートのゴミをベースキャンプまで運んで、燃えるゴミは燃やし、その他は処分する。漢氏は、世界の8000メートル級の山14峰のうち11峰を登り、エベレストやマカルー、ダウラギリで清掃登山を実施した経験があり、次はまた来春エベレストでやる予定だという。


 サイの密猟者逮捕   ( Kantipur より)
2005年7月20日 王立チトワン国立公園で、通称ヤクチェことペンバ・ラマを頭とするサイの密猟者3人を逮捕した、と公園監視員が発表した。首謀者のラマは、これまでに20本のサイの角をチベットで売りさばき、2億5000万ルピーの不法収入を得たという。サイの角の国際闇価格は、1キログラム当り250万ルピーから400万ルピーといわれている。


 ペワ湖の寿命はあと150年   ( Nepalnews.com より)
2005年7月14日 ポカラの観光名所であるペワ湖は、湖畔のホテルやレストランからの汚染や廃棄物だけでなく、洪水時には下水道を通して住民の出す汚物や廃棄物の流入に曝されている。また流入する河川からはたえずシルト分物質が運ばれて湖底に堆積している。また湖面の面積は年々縮小し、陸地が増えている。1956年には10平方キロメートルあった湖水面積は、1995年には4.5平方キロメートルにまで縮小している。また湖水は富栄養化も進んでおり、水質的にも病んでいるが、周辺住民は意に介さない様子である。このままだとあと150年で湖は死滅するだろう、と専門家は警告している。


 3ヶ月で10頭のサイが死亡   ( Kathmandu Post より)
2005年7月12日 チトワン国立公園では、たった3ヶ月の間に10頭ものサイが死体で見つかった。いずれも角が取り去られていて、密猟者による殺害であると結論づけられている。当局は、関係者5人を逮捕し、4月から6月にかけてインドやチベットで密輸された角を差し押さえたとしている。


 森林保全に日本の援助   ( Nepalnews.com より)
2005年7月13日 日本大使館の発表によれば、日本のNGOであるヒマラヤ保全協会(IHC)の僻地での森林保護活動に2500万ルピーの支援金の支給を決めた。IHCは、ミャグディとパルバット地区で1974年以来活動を継続しており、文化や自然の保護と生活改善に努めてきた組織である。新たなプロジェクトがネパールと日本の関係強化にも貢献するものと期待されている。


 Dudhkunda湖が破壊するかも   ( Nepalnews.com より)
2005年7月4日 Solu地方の住民は、気温の上昇によりDudhkunda湖が破壊するかもしれないと心配している。この湖はヒンズー教徒と仏教徒の聖地になっていて、湖で沐浴することが出来れば願いがかなうと信じられている。湖の水位は毎年上昇しており、脅威が増している。リモートセンサーの専門家は、湖の先端部が僅かずつずれていることを指摘しており、動植物のみならず下流域に住む住民や観光客にも危険が及ぶ可能性があるので早急の対策が望まれる。


 シシュドール廃棄物処分場供用開始   ( Kantipur より)
2005年6月5日 Okharpauwa の Sishdol廃棄物処分場が、今日から稼働し始めた。カトマンズからは250トン、ラリトプールからは160トンのゴミが毎日排出されるが、これらは一旦テクにある一時貯蔵所に運ばれ、ここで有価物を選別したのちこの処分場に搬送される。この処分場の設置については、JICAが技術のみならず資金的にも援助したものであり、今後3年間は廃棄物の受入が可能な規模である。


 ネパールの環境計画が受賞   ( Nepalnews.com より)
2005年6月1日 世界銀行主催の発展途上商圏国際コンペでネパールから提案した計画が選ばれた。これは世界136カ国2,600人からの応募があった中から31人が選ばれた中の一人であり、91,400ドルの賞金を得た。この計画の内容は、灯油ランプから太陽光発電ランプに移行する農村部の家庭への小額融資制度を作る、というもので、この提案は、「保全促進環境拠点(ECCA)」と「再生エネルギーセンター(CRE)」との共同で提案したものである。


 世界生物多様性デーを祝う   ( Kathmandu Post より)
2005年5月22日 カトマンズで世界生物多様性デーを祝う会が「生物多様性:変化するわれら人間社会の生命保険」とのスローガンのもと開催され、参加した官僚や環境保護団体の人々は、天然資源の保護と適切な管理の必要性について確認しあった。森林土壌保全省は、生物の多様性を保持することが将来のネパールの利益であるとこを強調した。ICIMODの会長は、生態学的にバランスがとれていることが世界の安全に繋がるとのべた。このような催しは1994年に生物多様性に関する国際条約にネパールが加盟して以来続けている。


 エベレストの氷河の融解が進む   ( Nepalnews.com より)
2005年5月19日 新華社の発表として中国のケーブル・ニュース・ネットワークが伝えるところによると、中国の研究者の研究結果として、エベレストの北側の氷河は、地球温暖化の影響で急速に後退していることが解かった。2002年にみられた巨大な氷の壁が消滅し、氷河末端の標高は50メートル上昇している。これは平均的な年の2倍の速さで解けていることを意味しており、河川の水量の急変により水資源全体のバランスを崩すものとして警告している。同様の現象はエベレストのネパール側でもすでに知られており、急速な氷河の融解による爆発的洪水の危険性から下流域を保護するためノルウェーの援助で氷河湖の湖水を抜く工事がされた Tcho Rolpa の例がある。


 大気環境が極度に悪化   ( Nepalnews.com より)
2005年4月20日 4月10日から16日までの1週間のカトマンズ盆地内の大気中浮遊物質量(PM10)は、前の週よりも極端に悪化したが、その原因は気温がこのところ急に高くなったためと考えられる。 7個所ある観測地点の中で、Matsyagaonを除くすべての観測地点で増加し、特に週間平均値でKitipurur 163.28, Bhaktapur 255.28, Thamel 268.71が悪く、また「汚染されている」との評価となった日が数日間連続して記録された。いつもワーストワンの記録を続けていたPutalisadakの機器は今回も記録が取れていない。


 一角サイの生息数が減少   ( Kantipur より)
2005年4月16日 ネパールの国獣、一角サイの生息数の調査は5年ごとに世界野生生物基金とマヘンドラ自然保護財団の支援によって行われているが、チトワン国立公園での生息数は、今年の調査で372頭であり、これは2000年に調査した544頭に比べて172頭も少ない数である。このように数が減少した原因は、角が漢方薬として国際市場で高額で取引されることから、密猟が頻発しているためである。


 Nawalparasiで山火事  ( Kathmandu Post より)
2005年4月3日 Nawalparasiで今月1日発生した山火事は、広さ30,000ヘクタール以上に及び、マヘンドラハイウェィの回りの数十箇所の共有森林を飲み込み、さらにはいくつかの民家にも被害が及んだ模様で、2日経った今もまだ鎮火はしてはいない。


 人口環境省を解体  ( Kathmandu Post より)
2005年4月1日 政府は、人口環境省を解体し、人口行政は保健省に合体し「保健人口省」に、環境行政は科学技術省に統合して「環境科学技術省」とすることを発表した。これによって発生する余剰人員92人は解雇または配置転換される。


 氷河の融解が水不足を起こす  ( Nepalnews.com より)
2005年3月14日 世界の自然保護運動の中心的存在である世界野生生物基金(WWF)の発表によると、ヒマラヤ山脈の氷河は地球温暖化の影響で次第に小さくなり後退している。これはKhumbu地域の気温変化や積雪量にも現れており、氷河の融解は最初は河川の水量の増加にも現れるが、やがてその水源が枯渇することを意味しており、環境と生態系に大きな影響をもたらすことになると警告している。


 カトマンズの大気環境がやや改善  ( Nepalnews.com より)
2005年1月13日 人口環境省が発表したデータによると、カトマンズの盆地内の大気環境は、1月2日から8日までの平均値では、前の週よりもやや改善された。とはいうものの繁華街 Putalisadak の大気環境の平均浮遊物質量(PM10)は、316.57で"非常に不健康" のレベルにある。他の大気汚染物質の濃度も、Patan病院で286.86、Thamelで254.57、Bhaktapurで158.17、Kirtipurで118.29と,依然として高いレベルである。


 野鳥と植物のチェックリストが完成  ( Nepalnews.com より)
2005年2月25日 環境保護者で組織する民間団体Nepalnature.Com(NNC)が、このほどカトマンズの北に位置するShivapuri国立公園内の野鳥、植物のチェックリストを完成させた。これには野鳥が311種、顕花植物538種が記録されている。Shivapuriは、カトマンズの飲料水の水源であり、首都と隣接する国立公園は世界的にも珍しく、その自然環境を保全することは単に鳥や植物のためだけでなくカトマンズ市民の生命線としても重要であり、ここを訪れる観光客により年間500万ルピーの経済効果をもたらすものである、とNCCの議長は力説した。