ネパール環境の話題 ’19 



観光が盛んになり住民にも恩恵      (Kathmandu Post より )

5月19日 NawalpaarasiのKawasotiにあるNamuna森林協会地区は、地域の努力が実った数少ない成功例である。この地域はやせた不毛の地であったが、今では豊かで健康的なエコシステムな地域となっている。3年前に森林利用者グループから草原化計画が持ち上がりこれを実践したところ、林内の動物たちがこの草原に集まるようになり、自然の動物を見られる場所として観光客に人気を博するようになり、現地にも富をもたらすことにつながった。また、この草原が豊富な食物や水を供給する場所となったために、野生生物が村にまで入って来ることがなくなったという。

首相の「カトマンズは埃のない街」発言に物議      (Kathmandu Post より )

5月18日 「カトマンズは埃のない街になった。もうマスクはいらない。」とオリ首相が議会で発言したことに対して、批判が殺到している。首相はエアコン付きの車で移動していること、しかも最近導入した道路清掃車が特定の優先道路だけでしか稼働しておらずそのためにオリ首相にはその恩恵が及んでいるためだ、との批判である。まだまだ道路のダストに悩まされている市民は多く、そのために気管支系の病に苦しんでいる市民も多い。そのような大気環境改善を求めるデモも行われ、警察官との間で乱闘事件も発生しているほどで、首相の発言はこうした市民感情を逆なでするものだ。

野生生物密輸業者を連続逮捕      (Kathmandu Post より )

5月3日 警察のバクタプール局は、野生生物密輸取引業者の2つのグループを連続して逮捕した。これらはヒョウの毛皮、クマの胆嚢を所持していたグループ5人と、象牙を所持していたグループ2人である。警察は、事前に取引の情報を入手し、事情聴取したところ、供述があいまいであったので強制捜査し、逮捕したものである。

道路ダストをレンガに      (Kathmandu Post より )

5月2日 カトマンズに導入された道路清掃車の試験稼働は、日本人チームの技術指導によって行われているが、3月から実施した試験稼働の結果によると日平均で17トンのダストを道路上から回収している。このダストの主成分は土であり、技術的にはこれをレンガの材料にする可能性もある。これを含めて集めたダストの処分方法を検討したい、と担当責任者は述べた。

パタンを自転車都市に --- 可能性は?      (Kathmandu Post より )

4月8日 パタンの市長は、パタン市のマスタープランの一部として自転車レーンを張り巡らせるという野心的なビジョンを示したが、はたしてこれは可能なのだろうか。市長によれば、これまでやみくもにモータリゼーションに追随してきたが、これによる弊害は、大気汚染や交通事故の多発、歩道と緑地の除去など市民に多くの負荷をかけている。また、交通渋滞によるエネルギーや時間のロスも大きい。世界には自転車優先の都市設計ができている街もある。我々もそれに学んで住民にとって健康で安全な交通体系を目指した都市づくりを目指す、としているが・・・。

道路清掃車はVIPエリアのみ      (Kathmandu Post より )

4月7日 カトマンズに導入された道路清掃車のルートが発表されたが、これをみるとVIPの通る道路が優先され、歴史的な交通の主要道路が入っていない。また、水道工事のためにアスファルトがはがされて土埃に悩んでいる住民は、期待していたのに裏切られたという。当局は、これに対して、現在はまだオペレーターの訓練中であって、慣れてくればもっと広範囲の清掃が可能になるだろう、と釈明している。

エベレストが泣いている      (Kathmandu Post より )

4月1日 エベレストは、1953年の初登頂以来今日まで約4,000人の登山者が登頂に成功しています。1980年代から急速に登山者の数が増えたためで、これによる環境汚染が顕在化している。登山者は、シェルパを同行し数週間をこの山中に暮らすことになるが、この結果、多量のゴミとし尿が廃棄される。近年は、これらを麓の村まで持参して処理することを義務付けている。その量は、2017年にはゴミが25トン、し尿が15トンに達する。この義務を無視するケースもあり、罰金を科しているがそれでも徹底されていない。運び降ろされた汚物の処理も不完全で、洪水などで下流に流される可能性が高い。さらに過去の廃棄物がこのところの温暖化で氷の中から姿を現したりしてベースキャンプ周辺のゴミが目立っている。中国が入山禁止に踏み切った例もあるが、ネパールは観光重視でそのような政策は不可能であろう。多額の入山料を徴収している政府がこの問題に抜本的な対策を打たなければ、下流域の環境のみならず登山者自体にもに大きなダメージを与えることになる。

カトマンズ盆地の飼育動物にチップを義務化      (Kathmandu Post より )

3月24日 カトマンズ盆地で飼育されている牛などにチップを埋め込むことを義務付けることが検討されている。これにより毎年500頭にも及ぶ飼育放置牛の根絶が図られると期待されている。放置の理由は、牡であるばかりでなく、病気になった牛も含まれており、交通の妨げになるだけでなく市民の健康にも有害である。20年前から市はこのような放置牛を捕獲処分してきたが、民間による監視と管理の技術的手法を開始しようと準備をしているところである。

カトマンズに道路清掃車導入      (Kathmandu Post より )

3月15日 カトマンズ盆地に初の道路清掃車が5台導入された。イタリア製で既に4台が市に納入されている。これは走りながらブラシで路面を掃いてダストを回収してゆくもので、運転手に高度な技術が必要なためインドの技術者を招いて運転手の訓練をしている。これまで人の手に頼っていた道路清掃を機械化することで効率が高まり、市内のダスト問題の解決につながるとしている。と道路幅が8メートル以上の道は1,400キロメートルあるが、このうち1,200キロはすぐに機械による清掃を始め、残りの200キロは道路の改修工事後となる。清掃車のルートはこれから早急に検討する、と市の担当者が言っている。市長はこの機械の導入を最優先の政策としていたが、入札が不調で延び延びになっていたが、ようやく実現にこぎつけた、と述べた。

室内空気環境汚染から解放されるか      (Kathmandu Post より )

2月24日 ネパールでは、伝統的に薪、牛糞、農業廃棄物などを燃料として使っているが、これらが家々の室内空気環境を悪化させ、それによる疾病は深刻で、呼吸器感染症、慢性肺疾患、肺がん、喘息等、様々な病気で年間7,500人が死亡している。一方で、灯油などの化石燃料に依存する割合も高まっている。これらは太陽光、バイオガス、マイクロ水力などの再生可能エネルギーへの転換を図るべきである。地方では、薪の収集や調理は女性や子供の仕事になっており、呼吸器障害も女性や子供に多い。クリーンエネルギーへの転換を急ぐべきである。

Humulaでは気候変動と戦っている      (Kathmandu Post より )

1月5日 ネパール西部のHumulaでは、例年とは異なり目立った降雪がなく日照りが続いて畑が乾燥した状態が続いている。地元民もこの10年間にこのように日照りが続くのは経験がないと言っている。研究者の間ではこれは地球的規模の温暖化の影響とも考えられており、今後の推移を注目するとともに食料の確保に向けた対策の必要性が強調されている。

チトワンでサイが集落に       (Kathmandu Post より )

1月5日 チトワン国立公園の近くの街でサイが徘徊する光景が相次いでいるが、先日は、赤ちゃんを連れた母親サイが目撃され話題になっている。しかし、当局の担当者は子連れのサイは時に獰猛に攻撃する可能性があり、注意を呼び掛けるとともに、サイの公園外への出奔を防ぐ対応に追われている。

ボーダナートから人工照明撤去を      (Kathmandu Post より )

1月4日 ボーダナートのストゥーパが色とりどりの照明でライトアップされていることに対して、環境保護主義者たちは、これはエネルギーの無駄遣いであり、ひいては環境悪化に結び付くとして撤去を求めている。また世界遺産として登録されているのにこんな証明は醜悪だとの意見もある。しかし、観光施設としての顧客サービスという点から撤去に疑問視する向きもあり決着に至っていない。